【Phantom of sorrow】

先程、ファントム忘年会より帰って参りました。
オレは酒を飲まないので、若い衆全員をそれぞれ送り届け、この10年を思い出しながら独り帰ってきました。

・始まり

11年前、最初はベースのSHINJIから「何かやろうよ。」と誘われて初めたバンドだった。顔見知りのメンバーで構成して、とりあえずボーカルが中々固定しないバンドだった。
SHINJIがSNSでボーカルを探してきて、オーディションしてってのを数回繰り返してやっとボーカルが決まった。
まぁ、色んな人が居るなぁ〜と…。w
当初はツインギターで初めたのだが、オレが余りに我儘だったのか、もう一人のギタリストが音楽性の不一致と言う事で辞めてしまった。
せっかくボーカルが決まって、さてこれからだぜ!って時だったので、正直辛かった。

急遽、現ベースのBARAをギターで誘って2度のライブ(アコースティックとバンド)をやったのだが、どうにもしっくり来なかった。
結果、ギターをオレ1本にして、打ち込みを使用したシンフォニック系バンドと言う感じで再スタートしたら、コレがウケた。
気を良くしてレコーディングしてCD売って、それ風な活動を初めたら、ドラムが打ち込みのドンカマ聞きながら叩くのは嫌だと言って辞めてしまった。
この時期、結構悩んでたと言うか、「このまま失速してバンドが無くなるんじゃないかな?」と漠然と思ってた。
CDも以前ほど売れなくなってた。

・存続を考えた

ドラムが辞めて、正直「解散かな?」とか考えてた。
当時、まだバンマスと言うかリーダーを正式に決めてなかったんだけど、結局年長のオレが、キャリアも、知名度も、人脈も他のメンバーよりも有ったので、なし崩し的にバンマス的な立ち位置に成ってた。
作曲をして、ライブのブッキングをして、レコーディングの手配や、アー写の撮影手配、CD等の販路の開拓、チラシのデザインや、グッズのデザインまで、兎に角独りで全部やった。
webサイトを作り、配信業者と契約したり、アフィリエイトを組み込んだり、通販サイトを設営したり、道外のショップにCDをおいてもらったり、とにかくできそうなことは全部やった。

役割分担するにも、メンバーは知識も経験も無かったので、演奏以外は殆ど役に立たなかった。
運営に関しても、メンバーに相談したくても彼らは経験が無いから、的確な返事が帰ってこない。彼らなりに一生懸命考えてるのは判るが、オレは彼らより10年も20年も年上で、彼らが言う事の殆どは既に経験済みで、結果が見えてる事ばかりだった。
このジェネレーションギャップは結構キツかった。
そう言う意味では結構孤独だったなぁ…。

オレには見える事が彼らには見えないので、話がうまく噛み合わない。
彼らは未経験だから、成功しようが失敗しようが、やること自体に意義があるだろうことは判る。どっちにしろ学べるからだ。
しかし、オレは既に学んだ後で、また同じ失敗を繰り返すのかと思うと本当に無駄に思うし苦痛なわけで、バンド内がギスギスしないように、細心の注意を払って無駄を避ける方向にメンバーを導いてた。

・SHIORI脱退

辞めたドラマーの代わりにヘルパーのドラマーを頼んで、ライブも何度かこなしたが、バンド自体の結束は揺らぐ一方で、活動もどんどん鈍化していった。
そんな時に、活動の鈍化に耐えかねたボーカルSHIORI(現Purple)が脱退した。
これはかなりキツかった。
打ち込み体勢になって、要とも言えたパワースタイルの女性ボーカルを失うことは、ストレートにバンドの存続を左右する。
代わりのボーカリストは殆ど見込みがない。
何人か試したが、全部使えない。
ボーカルスクールで知り合った子に話を持ちかけたら二つ返事で引き受けてくれたが、音域が狭くてSHIORIの曲が歌えない。
仕方がないから、彼女向けの曲を急遽書いてなんとか、体制を整えてさて頑張るぞって時に、スキャンダルが起きた。
詳細は割愛するが、結果彼女も半年で脱退を余儀なくされた。

・気がつくと5年経ってた

その後、半年あまりの空白の後、KAINTSUYOSHIがやってくる。
既に、結成から5年経過してた。
そろそろ、目立った動きをしないと趣味のバンドの域を出ないので、オレはちょっと焦り始めてたかも知れない。
活動を活発化させて、少しでも有名になって、少しでも稼げるバンドに育てたいと思うようになってきた。
KAINの実力は正直辛いものが有ったが、彼女のやる気に賭けてみた。
結果、オレは賭けに勝った。

KAINはみるみる上達し、翌年には既にバンドの看板として不可欠なメンバーに成ってた。
むしろ、オレなんか居なくても、バンドは存続できそうな雰囲気すら有った。
この時点で朧げながら、オレの理想の形にバンドが近づいてたような気がする。
誰か独りが目立ってあとはオマケみたいなバンドじゃなくて、メンバー全員が個性的で、全員が必要不可欠な唯一無二なメンバーと言うバンド本来の姿に成ったと思う。
全曲録り直しで、悲願だったフルレングスのCDも発売した。
とりあえず当初考えてた所まではなんとか辿り着いた感じだった。
でも、楽しい時間はあっという間に過ぎるものだ。

・KAIN脱退

KAINは元々、2〜3年後には脱退する前提で加入してたので、結果5年もバンドの看板として歌ってくれた事にはものすごく感謝している。
今のPhantom of sorrowがあるのは、8割方KAINのお陰と言っても過言じゃない。
彼女が居なかったら、バンドは5年前に解散してたと思う。

KAINが辞めて、次のボーカル探しが始まった。
しかし、今どきMETALを歌いたい女性ボーカルを札幌で見つけるのは至難の業だった。
まして、オレみたいなロートルが率いるバンドじゃ、若い子には何かと荷が重いだろう。
KAINの最期のステージと成った「10周年記念ライブ」を行ったが、其の直後から活動休止になった。
この頃、オレはプライベートでも色々あって、「もうバンド辞めようかな?」って気持ちがちょっと芽生え始めてた。

・Lalami参上

それから半年、旧知であるLalamiとばったり会うことに成る。
互いの近況を報告しあって、オレはバンドのボーカルが辞めてしまって活動できないって話をした。
Lalamiは、自身の活動に、そろそろ違う展開も考えてみたいと言ってた。
じゃ、バンドで歌ってみる?みたいに、ダメ元で話をしたら、やってみようって事になった。
スケジュールの都合ですぐには初められないが、年末くらいからリハーサルを初めて、「年明け春にはお披露目ライブをやろう!」みたいな流れが出来た。

・SHINJI脱退

「やっと動けるぞ!」となった途端、SHINJIが脱退を表明した。
タイミング的に、まぁギリギリのラインだったと思う。
あれ以上遅かったら、完全にバンドは崩壊してたろう。
本当にギリギリだった。

オレは、持ち出しが当たり前の趣味のバンドはもう辛くなってた。
歳も取って来て残り少ない人生を意識するようになってた。
だから、このアマチュア然としたバンドの活動形態にはもう付き合いきれなく成ってた。
なので、なんとかバンド活動を収益化したかった。
それがLalamiを誘った理由の一つでもある。
しかしそうなると活動はある程度活発化するし、稼げそうな時に稼がないとならないという、趣味とは程遠い活動を強いられるわけだ。
家庭持ちのSHINJIにはキツイ状況になったんだろう。
稼げるかどうかまだ判らんバンド活動に、「もっと時間を割け!」って話なのだから。

・BARA再び…

突然ベースを失ったバンドだったが、偶然にもオレの古巣でもあるMaverickでベースを弾いてたBARAMaverickを辞めると言う噂を聞いた。
早速オファーを出してみたら、割とあっさり承諾してくれた。
まぁ、ある意味出戻りだけど、パートが違うし、あれから10年の歳月が流れ、BARAもクオリティーが上がって、しかもマルチプレーヤーに成ってた。
何より、バンド活動に重点をおいた生活をしてたのが幸運だった。

そして、Phantom of sorrowは全員が本当の意味でのミュージシャンの集まりになった。
やっと完成形に成ったわけだ。
勝負に出れるスタイルと言うか、全身全霊で音楽に向き合えるメンバーに成ったわけだ。
ここまで来るのに10年の歳月を使ってしまったけど、まだ先は長い。

・そして1年が過ぎた

この1年で、札幌で1回、東京で2回、名古屋で1回の、計4回のライブを行った。
少ないと思う?
オレの感覚では今の段階では十分だと思ってる。
この1年で現メンバーの結束が充実していくのがよく分かる。
今は結束が重要な時期だから。
バンドって、メンバーが互いをリスペクトできないと上手く行かない。
今のメンバーはオレにとって過去最高のメンバーになった。
人間的には過去のメンバーも十分良い奴ばかりで負けてないが、ミュージシャンとしての心構えやスキルは、今のメンバーが過去最強だと思ってる。

これで結束が強まって互いにリスペクトできれば、バンドが何か苦難にぶち当たっても、互いが互いをブーストさせて乗り越えれると思うからだ。
他のメンバーにぶら下がってるヤツが一人でも居たら、其のバンドは遅かれ早かれダメになる。
其の昔、オレは演奏以外は独りで全部やってた。
その時のメンバーはある意味「ひな鳥の集団」で、親鳥のオレが餌を運んでくるのを口を開けて待ってただけだった。
で、ある日、エサを待ちきれなく成ったひな鳥は巣を離れていく訳だ。

まだ、もう暫くPhantom of sorrow は続きます。
オレが倒れるまで…。
てか、オレが倒れても、残ったメンバーが新しいメンバーを入れて永遠に継続してくれるようなバンドにして行きたいと思ってる。
それが今見てる夢かな…。😊