【クラウドファンディング】

2015年に、バンドのCDを作りたくて、クラウドファンディングをやってみたんですけどね。
当時に書いた文章が出てきたんで、再掲したいと思います。


【ロックバンド独自の思想の問題。】
ロックバンドの成り立ちを考えると、「クラウドファンディングを利用する事自 体がタブーではないのか?」と唱える方がいらっしゃいます。
そもそもカウンターカルチャーとして出現したロックバンドが、体制に迎合する 形で活動するのは如何なものか?という部分の問題ですね。
これは70年代初頭から洋楽中心に聞いてきた私自身も実のところ引っかかってい た部分でも有ります。
しかし今は私はそうは考えていません。
ロックは1970年台中期よりメッセージを失い、金の儲かるエンターテイメントと しての側面が強くなります。
そんな時に本格的にロックが日本に輸入されるようになりました。
つまりロックはすでにカウンターカルチャーとしての存在意義を失っており、現 代では一般に浸透した音楽コンテンツとしての側面が強く、それは同時にメイン カルチャーの一部として組み込まれています。
このことを踏まえ、クラウドファンディングという新しいシステムを利用し、そ のバンドの存続を維持する方法論が無効だとは思いません。
むしろ積極的に活用し、今以上にロックバンドにおける理解を一般に浸透させる チャンスではないかとさえ思っています。

ここでもう一つの疑問が発生します。 果たして「クラウドファンディング」は体制側のシステムなのか?というこ とです。 この疑問は次の問題に内包されます。

【クラウドファンディングの一般での浸透度・理解度の問題。】
「クラウドファンディングの利用とか、他力本願じゃないのか?」とのご指 摘も 受けました。 正直言いまして、殆どの方にとって「クラウドファンディング」そのものが 未知 であります。
趣旨やシステムそのものを理解していない方が大半なので、支援者がプロ ジェク トに対してどのような立ち位置なのかが理解されていない。
「支援者=寄付をする人」になっており「プロジェクト実行者=他力本願」 みた いな構図で見られていること。 ここの誤解を取らない限り、クラウドファンディングの有用性を理解して頂 けな いかと思いました。
クラウドファンディングは、そのプロジェクトにもよりますが、リターンの ない 「寄付型」、金銭的なリターンが有る「投資型」、プロジェクトが提 供する何ら かの権利や物品を購入することで支援を行う「購入型」があ り、我々が行ってい るのはこの「購入型」のシステムです。 つまり支援者の方はそのまま購入者であり、「寄付をする人」では有りません。
支援していただければ、プロジェクトを実行している人たちから何らかの キック バックが有るということです。 ここがリターンの無い「寄付型」とは決定的に違う部分です。
クラウドファンディング自体は、新しいローリスクの資金調達方法として存 在し ていますが、これは同時に文化とも言えます。 この資金調達法が思想的に受け入れられるならば、これはカルチャーとなり える だろうと考えます。
そういう側面から、クラウドファンディングは従来の資金調達法に他するカ ウン ターとなり得る。 つまり、立派にカウンターカルチャーとしての要件を満たしているわけです。
とすれば、前項での疑問・問題も解釈を変えること無く解決します。 私達も、プロジェクトを成功させることで「CDを制作する」と言う物理的な 目的 の他に、インディーズバンドにおける「新しいマーケティングモデル を確立させ る」という、目に見えない目的も同時に掲げています。
その見えない目的は自分のバンドの為というよりも、これから活動をしてい く他のバンドにとって有効な道標となりえると確信しています。 この辺の意識の問題はなかなか理解しづらい部分では有りますが、支援者の方々にも一番理解していただきたい部分でも有ります。


と書いてました。
結局、目標額の半分しか達成できず、資金調達は失敗しました。
今は、達成率が少なくても少ないなりに資金調達できるシステムも有るようですが、当時は、ALL or NOTHING だったので、100%行かなければ0円だったんですよね。
なので、結局CD制作は100%自腹で行いました。
当時支援していただいた方には、本当に感謝の念しかありません。
むしろ失敗して申し訳ありませんという気持ちでした。
同時に、クラウドファンディングに対する理解度の低さと、キュレーターさんのバンドに対する認識不足に悩まされ、すっかりクラウドファンディングが嫌いに成りました。

「クラウドファンディング?物乞いか?」とか、「集金してる暇あるなら、音源でも作れ!」とか、まぁホント心に何時までも残る傷を散々つけられましてね。w
すっかり、クラファンがイヤに成っちゃいましてね。www

あれから4年半程経過しました。
今、インディーズのアーティストがクラウドファンディングで活動資金を調達することは珍しくなく成りました。
当時掲げてた目標の半分は達成できてたようです。

でも、あの当時批判的だった連中が、自らクラウドファンディングを利用して資金調達とかしてるのを見ると、なんとも複雑な心境になりますね…。

世間話

Posted by KIYA-HEN