【リカバリーディスクを作って見た。w】
メーカー製のWindowsPCを買うと、殆どの場合ハードディスク(HDD)の中に通常の状態だと認識されない「リカバリー領域(NECでは回復領域と言うらしい)」って部分にそのリカバリー用のファイルが格納されている。
通常は、メーカーが添付しいるリカバリソフトを使って、リカバリーディスクを制作して運用するのだが、これを忘れてしまって工場初期状態に戻せなくなってしまうことがあよくある。
自分で使うだけなら、OSをクリーンインストールしてしまえば良いだけだが、これが往々にしてドライバー探しで苦戦する事になる。
特に、NEC等オフィシャルでドライバーを提供してないメーカーだと本当に苦労する。
それに、中古で売りに出そうとかすると、リカバリーしてメーカーの工場出荷状態を復元しないと値段がつかない場合も少なくないし、メーカー添付のソフトが使いたい場合も、初期化できないと使えないわけだ。
【そこでいろいろ調べてみた。】
今回、NECの古いノートパソコンをジャンクで入手し修理カスタマイズして使うことにした。
とりあえず、純正のHDDをが残っていたが、既にオリジナルのOSは失われ、Windows10にアップグレードされていたが、そのアップグレードが中途半端なため、マトモに起動せず一度オリジナル状態に戻したいのだが、リカバリーディスクも消失しており、八方塞がりかと思いきや、オリジナルHDDと言うことは、「回復領域」が存在していれば、リカバリー出来るのでは無いか?と思い、そこからリカバリーを試みることにした。
手順は以下の通り。
1)HDD内の回復領域にあるファイルを抽出する。
2)抽出したファイルを使ってリカバリーディスクを作成する。
3)作成したリカバリーディスクで、工場出荷状態に戻す。
この3工程をやりたい訳だが、これは「回復領域」が無傷で存在することが前提条件となる。
回復領域を開放してしまってフォーマットしてあったり、開放されたままだと、もう工場出荷状態に戻すためには、メーカー提供の有償のリカバリディスクを買うしか無いが、ユーザー登録されてないと販売してくれない場合もあるので、諦めるしかなくなる。
【回復領域を読み込む】
昔は、Linuxを立ち上げて回復領域を読み込むのが一般的だったが、今回はDOSコマンド(コマンドプロンプト)で回復領域にドライブレターを割り当てて、普通に読み込む事で、ブータブルDVDを制作することにした。
1)コマンドプロンプトから、 diskpart を起動する。
2)起動したdiskpart のウィンドウにて、list disk と入力。
3)現在PCに接続されてるディスク(USBメモリー等も含む)が表示される。
4)回復領域を指定するために、 select disk xx(xxはディスク番号)と入力する。
5) list partition と入力し、指定したディスクのパーテーションを表示。
6)select partition xx(xxはパーテーション番号)回復領域を指定する。
7) assign letter=xx(xxは任意のドライブレター)を入力して、ドライブレターを割り当てる。すると、回復領域が普通に「任意ドライブ」として 認識されファイルが可視できます。
8)回復領域の「 Recovery」フォルダーの中身を全部コピーして取り出します。
9)REMOVE コマンドでドライブレターを外して、パーテーション認識を終了します。
10)EXIT コマンドで diskpart を終了します。
【リカバリーディスクを作る】
とりあえず必要なファイルをリストアップ
再セットアップディスク 1(起動ディスク) | |
boot\*.* | フォルダー以下すべて |
EFI\*.* | フォルダー以下すべて |
sources\*.* | フォルダー以下すべて |
TOOLS32\*.* | フォルダー以下すべて |
BKW7_32.GHO | ファイル |
BKW7_32001.GHS | ファイル |
BKW7_32002.GHS | ファイル |
BKW7_32003.GHS | ファイル |
BKW7_32004.GHS | ファイル |
BKW7_32005.GHS | ファイル |
bootmgr | ファイル |
再セットアップディスク 2 | |
BKW7_32006.GHS | ファイル |
BKW7_32007.GHS | ファイル |
BKW7_32008.GHS | ファイル |
BKW7_32009.GHS | ファイル |
BKW7_32010.GHS | ファイル |
BKW7_32011.GHS | ファイル |
再セットアップディスク 3 | |
BKW7_32012.GHS | ファイル |
BKW7_32013.GHS | ファイル |
BKW7_32014.GHS | ファイル |
BKW7_32015.GHS | ファイル |
BKW7_32016.GHS | ファイル |
BKW7_32017.GHS | ファイル |
という感じになる。
DISK 1は 起動ディスクになるので、ブータブルDVDにする必要がある。
ブータブルDVDを作るには、ちょっとしたツールが必要で、以下からダウンロードして使用する。
1) Windows ADK のダウンロード
https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows-hardware/get-started/adk-install
ここからADKをダウンロードして、 Deployment Toolsだけにチェックを入れてインストールします。
2) 展開およびイメージング ツール環境 を起動しiso ファイルを制作する。
予めdisk1とdisk2フォルダーに、それぞれ必要なファイルをコピーしておく。
その上で、「展開およびイメージング ツール環境」を右クリック→管理者として実行を選び以下のコマンドを実行します。
oscdimg -u1 -bD:\disk1\Boot\etfsboot.com D:\disk1\ D:\recovery1.iso
※Dドライブに全てがある場合。
3)出来上がったdiskimageを焼く。
右クリックして、ディスクイメージの書き込みを選択すると、isoファイルをディスクに書き込みます。
4)残りのファイルをDVDにコピーする。
残りのファイルはisoにする必要がないので、そのままDVDにコピーしておきます。
【ここで、最初のミスを犯す。】
最初のミスは、TOOLS32フォルダーが存在してない事に気づかなかった事。
これは、NECの回復領域は2つに分断されており、HDDの先頭にある回復領域と、後端にある回復領域を両方読み込む必要があるのだが、オレは後端側の領域だけ読み込んでその気になってた。w
意気揚々として、ブータブルディスクを制作したが、インストール途中でハングアップしてしまうという事態に陥るわけだ。
これは、よそのBLOGにも「Windowsらしき画面が立ち上がるが、リカバリーソフトが起動しない。」と書かれていたので、恐らくオレと同じミスをしてるのだろう。w
TOOLS32フォルダーは、HDD先頭にある回復領域に存在してた。
なので、それもコピーして起動ディスクの中に入れてやらないと、上手く作動しないわけだ。
【次のミスはちょっと高度だった。】
元々のドライブがブルーレイディスク対応のドライブだったのだが、それがどうにも調子が悪かった事に気づかなかった。
一応、普通のDVDは読み込むのだが、作ったブータブルDVDを読み込まない。
読み込んでも、途中で止まるみたいなことが数回続き、DVDがちゃんと焼けてないのかと思って何度も焼き直したんだが、全滅。
仕方がないので、USBのCDドライブをつないでそこで焼くと、ちゃんと起動した。
内蔵のBDドライブ、DVDは読み込むが焼く時に内部でエラーを起こしてて、ちゃんと焼けてなかったらしい…。
これは、ドライブを普通のDVDスーパーマルチに交換したら、問題なくDVDも読み書きできるように成った。
【結果的には成功したのだ。】
必要なファイルを展開中…。 リカバリーしてます…。 NEC版 Windows7 Professional SP1 が立ち上がった!
このリカバリーで一番大切と言うか嬉しいことは、OEM版のライセンス料を新たに支払わなくて済むところだ。
無料?で、堂々と正規のNEC版OSを使用できるところが嬉しいのだ。
これがないと、いちいちOSのライセンス料を支払わなくてはいけない。
この辺、Appleは考えてて凄いなと思う。
パソコン自体が高いけど、Macなら今はほぼ無料でOSアップデートできる。
しかもかなり高度で便利なやつにね。