【ロックギター】

先日、仲間内の呑みの席で、「オレの中では、ジミヘンとヴァン・ヘイレンとスティーブ・ヴァイは同一線上に居るんだよな〜。」って話をしたら、「ヴァン・ヘイレンはチョット違わないですか?」と言う指摘を受けた。
ん〜、言われてみるとそうかな?と思って、改めてこの3人のギタリストを聞いて見た。

●ジミ・ヘンドリクス

1942年アメリカ生まれ。
1966年イギリスでデビュー。トラックレコードから出したシングル「ヘイ・ジョー/ストーン・フリー」が全英4位のヒットとなり、一躍スターダムにのし上がる。
がしかし、イギリスデビュー前から、アメリカではアイク&ティナターナーや、アイズレー・ブラザーズ、リトル・リチャード等の一流ミュージシャンのバックバンドを努めていた。
しかし、その派手な衣裳とステージアクション、大音量のギターサウンドで、リトル・リチャードに「オレより目立つな!」と言われて叱られた話はあまりに有名。

彼に纏わる伝説は数多いが、彼が神格化されている一番の理由は、そのサウンド。それまで、大音量のディストーションサウンド等誰も使ってなかったが、彼がFUZZペダルと共に、それをロックシーンにもたらした。
これが現在のロックギターの「歪」の原型で、形を変え現代でもロックギターのサウンドの特徴として「ディストーションサウンド」と言うのが完全に定着している。
そして、ストラトキャスターを利用した豪快なアーミングプレイ。
音程感が無くなるほどアームダウンし、効果音的な効果を得ることに成功している。1969年のウッドストックで、アメリカ国歌の「The Star Spangled Banner」を演奏したが、その中でこの豪快なアーミングを使って、ベトナム戦争の空爆の音を再現したと言われている。
開発したFender社の代表レオ・フェンダーが、「トレモロアームはあんなふうに使うものじゃない。」と言ったほど、全く想定外の使い方を開発したわけだ。

この辺の今まで無かった音やプレイを開発して称賛を得てる当りが、やはり神格化される要因だと思うんですわ。

●エドワード・ヴァン・ヘイレン

1955年オランダ生まれ。
1977年にKISSのジーン・シモンズの資金提供を受け、デモテープを作るがあまり評判は良くなかったが、突然ワーナーの社長が現れて、バンドに契約を迫り、その場で契約することでデビューが決まった。

エディーが崇められる理由は、そのプレイスタイルと音色にある。
この称賛ポイントはジミヘンと全く同じ。
それまで無かった音やスタイルを確立し、多くの支持者を集めた所はジミ・ヘンドリクスと同じで、丁度ジミヘンがデビューして10年後にデビューしているのも、なんとなく意味深な感じがする。

そのプレイスタイルで一番の特徴は、ライトハンド奏法(タッピング奏法)を完全に定着させ、ロックギターの奏法として今やスタンダードな奏法に成るほど、影響を与えたことだろう。
タッピング自体はギターの奏法として古くからあるが、それは単に間に合わない音を出すために便宜上行われたものであったり、その部分だけを曲芸的に取り上げて披露したものに終始していたが、エディーはそれを「メロディー」として曲中で使い、またそのタッピングだけではなく、ジミ・ヘンドリクスのアーミングや、リッチー・ブラックモアを凌ぐ速弾きやハーモニクスなどを織り交ぜ、ロックギターのスタイルをジミヘンの時代より更に進化させた所に、エディーの功績と彼が崇拝される大きな理由があると思う。

●スティーヴ・ヴァイ

1960年アメリカ生まれ。
幼少時より、本格的な音楽教育を受け、高校時代にはオーケストラのフルスコアを採譜する能力が有ったと言われる。
後に、フランク・ザッパの採譜係として採用され、日常会話まで採譜したという逸話も残っている。

1984年、ザッパバンドに在籍時にソロアルバムを発表することで、デビューとなる。
その後、アルカトラス、デイヴィット・リー・ロスバンドに加入。
1986年にはあの有名な映画「クロスロード」に悪魔に魂を売ったギタリスト、ジャックバトラーとして俳優デビュー。
1989年には、レベッカの12枚目のシングル「SUPER GIRL」にリードギターで参加。
その後、ホワイトスネークにワールドツアーに参加、1990年にインストのソロアルバム「パッション・アンド・ウォーフェア」を発表し、全米18位を記録する。

先の二人ほど、センセーショナルなデビューではないが、地道に下積みをして、確実な知識とプレイでトッププレーヤーに成ったわけだが、ヴァイが崇められる理由は、先の二人と同じ様にそのプレイスタイルと音色にある。

先ず、概ねロックギターには採用されていなかった、リディアンスケールやミクソリディアンスケールを多用したフレージングや、色々実験的な奏法も取り入れ、ワウペダルとトレモロアームを駆使して、ギターがまるで喋っているかのような音を出したりする。
この辺の奏法は、それまで存在しなかった種類のもので、やはり新しいオリジナルな憂いスタイルを打ち出し、多くの支持を得ているという部分で、先の二人と同じである。

また、これらの実験的プレイから、全く新しいサウンド(人の声的な音等)も生み出され、それがヴァイの特徴あるサウンドと成っている。

特にヴァイの場合は、音楽的知識に基づく新しい試みや実験が多く、ボディーとネックの共鳴をユニゾンに合わせたり、湾曲フレットを採用したりと、過去のギタリストが殆ど気にもしなかった部分に改良を加え、より正確な音程や、よりロングサスティーンを稼げるプレイをしやすいように、機材もどんどん開発している。

と言う事で…。

オレ的には、この3人は同じ線上にいて、夫々過去のプレイやサウンドを吸収し、更に其処にオリジナリティーを加味した全く新しいサウンドやプレイを世に広めたという意味で、同一線上のギタリスト、ある意味、ジミヘンの正常進化系とでも言うか、そういうイメージで見ています。
なので、この3人は本当に大好きなギタリストです。
また、ほぼ10年周期(ヴァイはちょっと早めだが)で頭角を表していることなどを考えると、まさにこの因果関係を無視できないなと思うわけですよ。