【シェッタガーリア見てきた2】

若かりし頃に見たシェッタガーリア。
札幌市民のみならず、全国の音楽マニアを唸らせたあの幻のバンド。
2007年11月に封印されたのだが、10年の時を経て復活した。
実際には去年オリジナルメンバーの山田昭雄氏を迎えての「再結成ライブ」が行われたのだが、今回は待望のバンド形式での正式な復活ライブで、それはもう往年のファンは涙無しには見れないライブだったと思う。

●その佇まいは正に「シェッタガーリア」であった。

会場客席の半分は、座布団が敷いてありお座敷状態になっており、後ろ半分は簡易椅子が置かれている。
会場をパンパンにするのが目的ではなく、限られたスペースでゆったり見てもらう事を意識した会場作りだということは一目瞭然だった。
実際、シェッタガーリアを知る人は多くは、40代後半〜50代なので、そういうファンに窮屈な思いをさせずに、往年のライブを間近で楽しんでもらうと言う意図が見え隠れする。
場内アナウンスが写真撮影やビデオ撮影についての注意事項を放送している。
昭和初期の劇場のような、ウグイス嬢が注意事項をお客様に伝達するアレだ。
更には、開演のブザーまで。
今時、ライブハウスにブザーなんか付いてないが、あれは態々音を流したんだろう。
この辺の演出が既に「シェッタガーリアのライブに来ている感」を否応なく盛り上げる。
まだ演奏どころか、オープニングアクトすら登場してないのにだ。
この空気の作り方、昔から変わってない。
他にはない、シェッタガーリアだけの色とか匂いとか光とかそういったもので全て埋め尽くされてた。
通い慣れたライブハウスがまるで別な空間のようだった。
オープニングアクトは、北方舞踏とか暗黒舞踏と言われる舞踏家の「田中ハル」とその門下生たち。
彼らの約30分ほどのステージの後、去年と同じようにアコースティックユニットとしてのシェッタガーリアが始まった。
往年のファンなら聞き慣れた曲達であったが、やはり黄金期のバンド形式の頃のファンが多いのか、客席もステージも妙な緊張感に包まれている。
つばを飲み込む音すら聞こえてしまうような静寂な中で演奏が始まる。
会場は完全に聞き入っていた。
無駄に騒ぐわけでもなく、ただひたすらに1音も逃すまいと会場全体が耳をそばだたせていた。
数曲やってアコセットが終わると、20分程の休憩を挟んで、いよいよバンド形式でのライブが始まる。
会場は感極まって泣き出すお客さんも沢山いた。
そんな中で演奏が始まる。
現メンバーは郎平のメンバー+山田昭雄氏というラインナップ。
まぁ、今札幌でシェッタガーリアを演れるメンバーなど、彼ら以外に思いつかない。
シェッタガーリアをハンパな状態で再生してほしくない!ってのは、ファンである我々の気持ちだ。
ミミさんも同じ気持ちだったんだろうと思う。
どうせやるならパーフェクトを望む。
それを実現してくれるメンバーは彼らしか居なかったのだろう。
演奏が始まると、郎平のときとは打って変わって、完全にシェッタガーリアとしてのサウンドを再生してくれた。
なんの違和感も感じること無く、極初期のシェッタガーリアを見ているような気分なのだが、そのサウンドの深みとか説得力とか、30年前よりもパワーアップしており、単なる懐古趣味ではない、新曲も含め、今そこに生きている生々しいシェッタガーリアを見ることが出来た。
今ここに完全復活を果たしてくれた。

●しかし、今回の復活はそれだけでは無かった。

当時販売されていた、テープやレコードの音源がデジタル化されCDとして販売されたのだ。
これが、何より嬉しいではないか。
当時のカセットテープなど、今マトモに聞けるものなど殆ど残ってないだろう。
なので、オリジナルテープは持っているが、もう何十年も聞いてない人は沢山居るんじゃないだろうか?この企画は本当に嬉しい。
オレは、もちろん喜んでライブ会場限定と言われるボックスセットを買った。
内容は、CDが3枚。
「あの日のサッカリン」+「浅草アバンゲール」で1枚。
「砂の上の植物群」+「化石の歌」で1枚。
そして、シェッタガーリア結成前夜のレア音源で1枚という内容。
他に、タオルなどのアメニティーや、ステッカー等が盛りだくさんで入っている。
個人的には、シェッタガーリア結成前夜のミミさんの葛藤が綴られたライナーノーツが一番ぐっと来た。
伝説が生まれる前夜、その伝説の主が何を考え、何を思ってこのバンドを結成したのか。
その秘密が紐解かれることで、このライブの味わいが大きく変わるだろう。

●何故、今復活なのか?恐らくは、10年前に封印した時に、既に復活を視野に入れてたのだろうと思う。

シェッタガーリアが復活する為には、かつての鮮度と勢いが必要だ。
だからこその「解散」でも「停止」でもなく、その時の鮮度で蘇ってくる「封印」だったのだろう。
ミミさんは、その封印を解く時期をじっと待っていたんだと思う。
多分80年代後半、シェッタガーリアが活動を鈍化させた頃から、ずーっとこの復活の為だけに全ての活動をしてたんじゃないか?って思うほど、色んな事が全てこの一瞬に向かってたような気がする。
郎平を14年ほど続けているのも、他の様々なプロジェクトも、全てこのシェッタガーリア復活のために必要な人材をプレーヤーはもちろん、スタッフも含め、育成してたのではないか?と思える程に。
すべての要素が充足するまで、じっくり時間をかけて準備していたのではなかろうか?本人に確認したわけじゃないので、オレの勝手な思いすごしではあるが、否定できない部分も沢山有るんじゃないかと思う。
まぁ、細かい屁理屈は置いといて、今はライブの余韻に浸りながら、購入したCDを聞くのがベストな選択だろう。
来年またシェッタガーリアはライブをやるかもしれない。
気まぐれなミミさんのことだから確約はしないだろうが、ファンはオレも含めてみんなそれを待っている事に違いない。
因みに、今回のCD、レアトラックス以外の2枚は、通販でも買えるらしい。
今回のライブを体験できなかった人や、当時のシェッタガーリアを知らない人は、是非このCDを聞いて、シェッタガーリアがなぜコレだけ多くの人の心に刻み込まれてるかを知ってほしい。
そこには「ロックバンド」なんてカテゴライズが全く無意味に成ってしまうような、「表現とはどういうことか?」と言うその答えが全て詰まっていると思う。
詳しくは、観音レーベルのホームページで確認して欲しい。
http://officekannon.com/